このページの本文へ移動
色合い 標準 青 黄 黒
文字サイズ 標準 拡大 縮小
RSS
トップ > アサザを育てよう

アサザを育てよう

アサザはどんな植物なの

平成20年度  アサザはこのように育っています。
(5年生の観察日記「今年こそアサザを育てよう」)
これは、玉里東小学校のみなさんが霞ヶ浦に植えたアサザです。
きれいな黄色い花をさかせています。
かつては、霞ヶ浦をはじめとして、水辺によく見られた植物ですが、今では数がめっきり減ってしまいました。

どうして減ってしまったのでしょう。
また、アサザはどんな植物なのでしょう。

平成20年7月、玉里東小の先生方が、アサザ基金の方から話を聞く勉強会を行いました。

なお、以下の内容は、アサザ基金代表理事飯島博さんのお話を元に、玉里東小学校理科部でまとめたものです。
アサザは、どんなところに生える植物でしょう。
湖の断面を書いて考えてみましょう。

お話してくれているのが、飯島博さん。
ひざの深さまでに生える植物を「抽水植物」といいます。
アシ(別名ヨシ)
マコモ(白鳥のえさになります)
ガマ(腰の深さまで)
などがその代表です。
アサザは、それより深いところ、1.5m位のところに生えます。
ヒシ、ジュンサイのように葉を浮かせている植物なので、「浮葉植物」といいます。
さらに深いところには、完全に水に沈んだ状態で生えている植物がありました。
ササバモ、エビモなどです。
これらを「沈水植物」といいます。
沈水植物は、水のよごれの影響を受けました。
光が当たらなくなったのです。
植物の生長の条件で、絶対に必要な光が得られません。
そのため、今では、霞ヶ浦の沈水植物は絶めつ状態です。
アサザ基金の活動としては、沈水植物までは無理としても、浮葉植物までは、元の霞ヶ浦のような状態に戻そうと活動しています。

沈水植物の再生は、湖の水がきれいに澄んだ状態になってからです。

アオコの発生があるようでは、とても沈水植物は光合成ができませんから生きられないのです。

アサザの発芽と生長
アサザに花がさくからには、種ができます。
アサザの種には、毛のようなものが生えていて、ある程度浮いていることができます。
水性の植物の中には、水の中で発芽できるものもあります。イネなどです。
発芽条件に、水、空気、適当な温度があります。
水中で発芽する植物の種は、水中にわずかに溶けている空気を使って発芽するのです。
ところが、アサザの場合、陸上でしか発芽できないのです。
これで、アサザが減ってきたわけがわかります。
霞ヶ浦の湖岸が、コンクリートのてい防で被われて、砂浜がなくなりました。それで、アサザが発芽できる陸がなくなってしまったのです。
種ができても、霞ヶ浦をさまよっているうちに、沈んでしまいます。
それで、発芽できずに種がだめになっていってしまうのです。

かつての霞ヶ浦の話です。
春、日が当たる陸上で発芽したアサザは、梅雨の時期に水位が上がるまで陸上で暮らしました。
雨が降り、水位が上がると、水草としての生活が始まります。
地下茎をのばし、どんどん沖に広がっていくのです。
アシ、マコモ、ガマの下を少しずつくぐります。葉を広げて光合成をし、養分をたくわえます。
そして、その先に地下茎をのばします。
そこは、抽水植物のいない場所です。
光がいくらでも当たります。
そこに根を下ろし、葉を広げ、さらに養分をたくわえます。
たくわえた養分を使って、さらに地下茎をのばし、葉を広げます。
そして、水深が1.5mになるまで広がっていくのです。

浮葉植物のあるところには、ギンヤンマが卵を産みにやってきます。
ギンヤンマは、浮葉植物あってこそのギンヤンマなのです。

トンボの存在には必然性があります。
クロイトトンボは、沈水植物に卵を産みます。水にもぐって卵を産み付けるのです。霞ヶ浦に沈水植物がなくなった今、クロイトトンボも激減してしまっています。

(この件について東小の子どもたちが研究しました。こちらをクリックPDF ○(PDF 432 KB))
体が真っ赤なショウジョウトンボは、浮葉植物と抽水植物の間に卵を産みます。
アオモンイトトンボは、マコモ(写真の背の高い植物)の水ぎわに卵を産みます。
アオイトトンボは、ヨシのくきに穴をあけて卵を産みます。卵がかえってヤゴになると、水に落ちて生活します。
アキアカネ(赤とんぼ)は、自然が破かいされた水たまりに卵を産みます。田んぼなどは、絶好の産らん場所です。

霞ヶ浦に入って、中から観察しました。
看板の下にも、アサザが植えてあります。
最初は、波でアサザが引きちぎられると思って、波のこないこちらに植えました。
でも、アサザの生活を考えると、ここからスタートして沖の方に広がるようにさせるという作戦は、理にかなっています。
アレチウリが生えていました。
帰化植物です。
このつる性植物が生えると、アシをはじめ、湖岸の植物が大変なことになってしまいます。
見つけしだい手で引きぬいた方がよいでしょう。
アサザを植えてあるところには、国土交通省で波よけのフェンスを作ってくれました。平成20年に新しくなり、波よけ効果が見ただけでわかります。

カルガモやアオサギなど、いろいろな鳥が羽を休める場にもなっています。
オオバン
黒い体に白いくちばしが、特ちょうです。
この鳥は、アサザも食べてしまうので、注意が必要です。

アサザが大きく広がって、少々食べられても困らない程度になるまで、鳥が寄りつかないような対策が必要になります。

ここ10年ほどアサザの植え付けをしていますが、なかなか定着しませんでした。その原因は、「波によって引きちぎられた」、「鳥によって食べられた」の2つがあります。
このオオバンには注意が必要です。
草かりをしました。
ここに植えてあるアサザに光を当てるため、アサザが沖に向かって広がっていけるようにするためです。
確かに、岸辺に植えたアサザが、沖に向かってのびていく様子が見られました。

マコモは簡単に再生しますので、このように刈っても問題ありません。
刈ったおかげで、外側に植えたアサザの様子を見ることもできます。
今年は、台風の季節を乗りこえて、アサザが広がっていくでしょうか。


(玉里東小学校  理科部)

掲載日 平成29年3月24日 更新日 平成29年5月1日